【自転車競技】Road to PARIS 出場枠獲得ルール&最新ランキング(3/22時点)

【短距離のパリ出場枠獲得ルール】

チームスプリントで出場枠を獲得した上位8ヵ国は、スプリントとケイリンにも出場枠が与えられる。スプリントとケイリンには2人が出場できる(同じ選手が2種目に出場する)が、この2人はチームスプリントか他の種目にエントリーしている選手でなくてはならない。
チームスプリントで出場枠を獲得していない場合、スプリントのランキング、ケイリンのランキングにおいてチームスプリントで枠を獲得した国以外の上位7ヵ国が出場できる。なおスプリントとケイリンどちらかの枠が取れればもう一方の種目にも出場でき、両方の種目で上位7ヵ国に入っていれば2選手がスプリントとケイリンに出ることができる(同じ選手が2種目に出場する)。

▼男子短距離の見どころ

男子短距離はチームスプリントで上位に入っており、3選手がオリンピックに出場できる。しかしキモとなるのは「スプリントとケイリンに出場するのは、チームスプリントかその他の種目にエントリーしている選手」に限られている、という点。

現状男子短距離で実績があるのは太田海也と中野慎詞。太田はチームスプリントのメンバーなので問題がないが、中野はチームスプリントの固定メンバーではない。そうなると中野をケイリンに出させるためにチームスプリントのメンバーを入れ替えるか、あるいはチームスプリントを優先して中野を諦めるか、いやいや短距離はメダルの可能性が高いから、中長距離から1枠もらって……という手もルール上可能。「日本チームとして、どの種目を優先するか」が焦点となる。 

▼女子短距離の見どころ

チームスプリントでのオリンピック出場は諦め、個人種目のスプリント・ケイリンでオリンピックに出場する女子短距離。両種目ともランキング上位に入っているため、2枠が獲得できる見込みだ。
ここで注目されるのは「女子短距離の主力メンバーは3人だけど、オリンピックに出られるのは2人だけ」という点。世界選手権での実績のある佐藤水菜はほぼ確定として、残り1つの椅子を取り合うのは梅川風子と太田りゆ。両者とも第1戦・第2戦でメダル獲得ができなかった中、昨シーズンの梅川のメダル獲得が評価されるのかに注目。

 


【中長距離のパリ出場枠獲得ルール】

チームパシュートのオリンピックランキング上位10ヵ国はマディソンとオムニアムでも枠を獲得することができる。
チームパシュートで枠を獲得できなかった場合、チームパシュートで枠を獲得した国以外の上位5ヵ国がマディソンに出場でき、同時にオムニアムにも出場できる。なおこの方法でマディソンに出場する選手は、チームパシュートかその他の種目にもエントリーしていなくてはならない。
上記の方法で枠を獲得している以外の国(チームパシュートにもマディソンにも出られない国)のうち、オムニアムのランキング上位7ヵ国が出場できる。

 

▼男子中長距離の見どころ

第2戦でメダルを獲得し、チームパシュートでの出場が盤石となってきた男子中長距離。その一方、第2戦のマディソンでは、昨年メダルを獲得している窪木&今村ではなく窪木&橋本がメダルを獲得している。この「ペアシャッフル」がどのような意味を持つのか、第3戦の行方にも注目だ。 

▼女子中長距離の見どころ

第2戦でチームパシュートメダル獲得を達成したことで、これまで微妙なラインだったランキングが一気にジャンプアップ。4人でのオリンピック出場が現実的なものとなってきた。もしチームパシュートで出場できない場合はマディソン出場選手の選択肢がかなり狭まってしまっていたが、その心配もなさそうだ。女子中長距離はジャストフィットの人数しかメンバーがいないため、チーム内での椅子取り合戦も発生しない。
そんな女子中長距離メンバーにとって、第3戦は「オリンピック前、最後の実戦の場」。無難に切り抜けるのか、チャレンジングな戦法を取るのか、レースに注目したい。