✉️競輪場便り✉️(弥彦競輪場)〜競輪場に咲く「輪」の味:元競輪選手が挑んだ第二の人生〜

新潟の競輪場に店を構えるラーメン店「輪」。その店主は、かつて競輪選手として風を切っていた人物です。40歳を迎え、引退を決意した彼が選んだのは、飲食の世界。異色の経歴を持つ店主が、どのようにして「輪」を立ち上げ、競輪ファンの胃袋を掴むラーメンを生み出したのか、その秘話に迫ります。

開業までの道のり:競輪選手から料理人へ

競輪選手を引退後、店主が目指したのは「独立」でした。親戚が営む居酒屋に勧められたことをきっかけに飲食業への道を志し、40歳で調理師学校に入学します。同年代の教師からは「落ちこぼれ扱い」とされたものの、その情熱は衰えませんでした。

卒業後、住み込み修行の条件が折り合わず、紹介でワシントンホテルの厨房へ。3年間、厳しい修行を積む日々でした。「飲食は3年で見切りをつけろ」というアドバイスを胸に、次なるステップを模索していた店主のもとに、転機が訪れます。新潟でラーメン店を経営する社長から、競輪場内の飲食店開店を推薦されたのです。

「輪」の誕生:手探りから始まったラーメン作り

ラーメン作りのノウハウは、社長からメモ書きと目視のみで伝えられました。手探りでのスタートだったため、技術が追いつかず、時には厳しい指導を受けることもあったと言います。しかし、弥彦村の応援や、施行者への試食を通じて改善を重ね、現在の「輪」の味が完成しました。競輪場への開店という縁から、「輪」と命名されたこの店は、多くのファンに愛される存在となっていきます。

こだわりの一杯:自家製にこだわる「輪」のラーメン

「輪」のラーメンは、店主のこだわりが随所に光ります。

  1. 【背脂】燕三条系とは異なる、あっさりとした背脂
    一般的に濃厚な燕三条系の背脂ラーメンとは一線を画し、「輪」の背脂はスープに溶かさず、あっさりとした口当たりが特徴です。
  2. 【ラーメン】が店のイチオシ
    メンマと麺以外はすべて自家製という徹底ぶり。店主の情熱が詰まった一杯です。
  3. 【開店当初】味噌ラーメンとチャーシュー麺でスタート
    当初はシンプルなメニュー構成でしたが、現在は多様なラーメンを提供しています。

チャーシューを煮込んだタレや端切れを活用したこのメニューは、「フードロスにも貢献している」と店主も笑顔で語ります。元競輪選手としての精神力と、料理人としての情熱が、競輪場の片隅で今日も美味しいラーメンを提供し続けています。